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やる夫で学ぶタレント契約書 というものを以前書きました。これは、アスキーアートを用いて視覚的にもわかりやすいようにと書いたものです。
具体的には、やる夫というキャラクターを使用して書いたものなのですが、このアスキーアートがスマートフォンで読むとかなり見づらいものになっていたりして、ユーザビリティがだいぶ悪いなと感じておりました。
そこで、今回このアスキーアートを画像化して、PCやスマートフォン等のどの媒体からみても見やすく表示されるようにしました。アスキーアートの画像化や、これまでアスキーアートで表示していた部分を画像に置き換える作業は最初は大変でしたが、慣れてくるとどんどんスピードアップしてきました。あまり頭を使う作業ではないので、ある意味年末年始に行うには丁度よいのかもしれません。
今回の対応がSEO的にも効果があるようでしたら、このブログももう少し更新していきたいなと考えております。
タレントがプロダクションに所属するにあたり交わす契約書ですが、そのタイトルは割りとマチマチです。大きくは、所属契約書か、専属マネジメント契約書のいずれかというパターンが多いですが、他にも、細かい違いですと登録契約書、タレント契約書、タレント専属契約書、専属契約書などありますね。
契約書のタイトルは、それ自体には基本的にはなんら効力はありませんので、別にどのような契約書タイトルでもよいのですが、できればその契約書の性質がぱっと分かる感じがよいですね。
そういう意味では、所属契約書が最もシンプルではあります。そのプロダクションに所属する際の契約書、という性質が一目みてぱっと分かるわけですから。あとは、専属マネジメント契約書もよいと思います。タレントがプロダクションに所属すると言うことは、その芸能活動に関するマネジメントを専属的にそのプロダクションに依頼するということですので、そういった性質が一言で表れているように思います。
ただ、マネジメントという言葉等は、タレントサイドからみると少し分かりづらい部分もありますので、タレントサイドにも配慮して最もシンプルな契約書タイトルにするならば、やはり所属契約書なのかもしれませんね。
但し、所属契約書というタイトルであっても、その所属するタレントの芸能活動に関するマネジメントを専属的にそのプロダクションに依頼するということがその契約の趣旨になりますので、内容的には専属マネジメント契約書と同じなのですけどね。このあたりはもはや好みの問題のレベルですので、所属契約書・専属マネジメント契約書のいずれとしてもなんら問題はないと考えます。
インターネットで、タレントがプロダクションに所属する際の契約書を探したりしていると、いくつかサンプルが出てきますね。
最近は前よりも色々な契約書のサンプルが見つけられますので、ある意味そうしたサンプルのみでもタレント所属契約書を作り上げてしまうことも可能なのですが、あまり参考にならないような契約書サンプルもあります。特に、タレントを労働者として扱っているような契約書サンプルです。
前回の記事でも書きましたが、タレントは個人事業主であり、労働者ではありません。プロダクションとの間で雇用関係を発生させるのではなく、プロダクションの従業員になるわけではありません。あくまでタレントは一人の個人事業主として芸能活動を行い、プロダクションに所属すると言うことは、そうしたプロダクションにタレントの芸能活動に関するマネージメントをお願いする、ということになります。
よって、タレントがプロダクションに所属すると言うことは、プロダクションの従業員となるわけではないのです。そのあたりが根本的に間違っている契約書サンプルについては、間違いなく参考にしてはならないですね。
仮に契約書雛形を使用するにしても、タレント所属契約書の実績が豊富な弁護士や行政書士等から提供してもらう形がよいでしょう。しかし難しいですね。何が正しくて何が間違っているのかを判断するのは。契約書って、ぱっと見た感じではそれっぽく見えますので、間違った契約書サンプルでもそれっぽく見えてしまうというのはなんだかなと思います。
さて、タレントさんに関する契約書について。
タレントさんがプロダクションに所属するにあたり交わす契約は、所属契約、タレント契約書、専属マネジメント契約書といったタイトルの契約になります。内容はどれもほとんど同じで、単にタイトルが違うだけだったりします。よって、あるタレントさんは所属契約という名目の契約をプロダクションと交わし、また別のあるタレントさんは、専属マネジメント契約書という名目の契約をプロダクションと交わしたりします。
どういった契約タイトルになるかは、そのプロダクションが持ち合わせている契約書のフォーマットによります。
で、今回の記事タイトルの件ですが、時折タレントさんとプロダクションとの契約において、なぜかタレントさんを労働者扱いとしているものが見受けられます。インターネット上に転がっている契約書サンプルでもそういった契約書をみることがあります。結論から申しますと、こうしたタレントさんを労働者扱いしている契約書は基本的には間違っております。
タレントさんは基本的には労働者ではなく、個人事業主です。ですので、毎年2月~3月にかけて確定申告を行います。よくタレントさんがイメージキャラクターとして確定申告をなされる姿をテレビ等で拝見したこともあるかもしれませんが、あれは個人事業主だから確定申告をするのです。労働者であればそのようなことをする必要はありません。
但し、まれに社員扱いでタレントさんを所属させているプロダクションもあります。そうした場合は、当然会社員とほぼ同様の扱いで、月給制だったり、福利厚生があったりします。しかし、通常のタレントさんは、歩合制で、福利厚生がないことがほとんどですので、やはり個人事業主なのです。よって、インターネット上に転がっている契約書サンプルを参考にする場合、そういった点に注意をした方がよいですね。
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【やる夫プロダクション】
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ということで、タレントがプロダクションに所属する際に交わす「専属マネジメント契約書」について前回は契約書のタイトルや書き出しについてご説明させて頂きました。
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今回は最初の条文(第1条)からどのように書いていくかについてやっていきたいと思います。
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最初(第1条)は、「芸能活動の定義」を記載することをお勧め致します。
芸能活動の定義ですか・・・
まあ、今回入ってくる子には音楽・テレビ・舞台・雑誌等色々と出てもらうことになりそうだから、幅広い感じにはなると思うのですけど・・・
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ええ、契約書においても、「芸能活動」はかなり幅広く定義します。
概ね以下のような記載で網羅する形になります。
本契約上の「芸能活動」とは、国内外を問わず、次の各号に定める媒体等での
歌唱、演奏、演技、演劇、舞踊、実演、朗読、会話、座談、対談、司会、文筆、作詞、作曲
プロデュース及びその他あらゆる形態での一切の出演、出場、執筆等並びに
甲の芸能家としての一切の活動を含めるものとし、特に制限を設けないものとします。
(1)レコード、CD、DVD等のあらゆる音源収録媒体
(2)地上波テレビ放送、衛星放送、ケーブルテレビ放送等のあらゆる公衆放送媒体
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(以下省略)
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さらに芸能活動の定義の補足として、次のような記載を盛り込んで網羅する形にすると良いでしょう。
甲による芸能活動に類する行為のうち、芸能的、又は芸術的な性質を有するもので、
現存し、又は将来開発される全ての視聴覚媒体における全ての活動についても、
本契約上の「芸能活動」に含むものとします。
なるほど。このように「芸能活動」の定義を幅広くすることで私どもも特に何らかの制限を受けることなくタレントのマネジメントを行うことができるわけですね。
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ええ、そうなりますね。
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なるほど・・・
ちょいと一本吸わせてもらいますね・・・・
しかし、契約書というのは慣れないと何を書いたらよいかよくわからないものですな。
今もこうしてやらない夫さんに聞いてるから作れそうですが、一人で作るにはなかなかしんどそうですな。
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おっしゃるとおり、契約書作りというのは多少慣れみたいなものは必要かもしれませんね。
慣れてくると、だいたいの書き方やポイントが見えてくるので、それでまずは大筋をざっと書いてしまえばあとは細部を詰めるだけになってきたりしますからね・・・・
まあ、私も経営者なので、いずれそのようにならないといけないのでしょうけど・・・
で、専属マネジメント契約書作成の話に戻りますが取りあえず、これで第1条(芸能活動の定義)が記載できました。
第2条はどのようにしましょう。
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第2条は、御社が行う「マネジメント業務」の内容を定義することをお勧め致します。
ここで、「専属の合意」を記載する場合もありますが、今回は、まずは「マネジメント業務」の内容の定義から記載していきたいと思います。
私どもが行うマネジメント業務ですか・・・
まあ、ざっと思いつくところとしては
・ブッキング
・営業
・宣伝
・スケジュール管理
まあ、こんなところでしょうか。
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ええ、そういった内容を契約書っぽく書いていく感じです。
概ね以下のような記載になります。
本契約に基づき、甲が乙に委託するマネジメント業務は、
次の各号に定めるとおりとします。
(1).甲の芸能活動に関する出演交渉及び契約締結、出演媒体の決定等
(2).甲の芸能活動に関するスケジュールの作成及び調整、管理等
(3).甲の芸能活動により発生する報酬及び使用料の交渉、請求、受領等
(4).甲の芸能活動に関する訓練及び育成課程の企画並びに実施等
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(以下省略)
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ああ~、なんか契約書っぽい感じですね。
ええ、ええ。うちで行うマネジメント業務はそれで網羅されている感じです。問題なさそうです。
正直、マネジメント業務の定義は極力明確に書かないと実際はプロダクションが行っていることでも、契約上はプロダクションに委託(委任)されていないということになりかねないので、ここの記載は色々と列挙していく必要があるのかなと思います。
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そうなんですよねえ。
契約書を作る上で、そういう「抜け」とか「漏れ」みたいなものが怖いんですよね。
あとは、どうとでも解釈できるようなあいまいな記載なんかも怖いですね。
それでは、第3条の方をご説明したいと思います。
第3条以降編に続く
【参考】
専属マネジメント契約書