今回は、日々の業務で扱っている中から、タレントが芸能事務所等に所属する際に交わす契約書について取り上げてみたいと思います。
【タレント契約の注意点】
この際の契約書のタイトルは結構まちまちだったりします。「専属マネジメント契約書」「所属契約書」「入所契約書」等・・・但し、概ね、専属マネジメント契約書と呼ばれているのではないかなと思います。
契約を取り交わす当事者はタレント・モデル・文化人等の芸能人と所属する芸能事務所です。
しかし、タレント等との契約で注意しなければならないのは、タレント自身が未成年である場合です。
この場合、タレントの法定代理人・・・いわば親権者である父母の同意が必要になります。
この同意がないと、タレントの法定代理人は契約を取り消すことができる状態になってしまいます。
たまに、母親などの片方の親権者からしか同意を得ていない場合がありますが、もう片方の親権者には契約を取り消す権利が留保されている状態ですのでこれも危険です。
【タレント契約のポイント】
タレントの芸能活動に応じた報酬規定は重要なポイントだと考えます。
タレントが芸能活動を行ったことにより、事務所の取り分は何%で、タレントには何%支払われるのかといったことです。
ここは、口頭で説明するだけでなく、きちんと書面に記載しておくべきところだと思いますし、タレントの芸能活動の状況に応じて、随時報酬規定を改定してもよいと思います。
あとは、タレントの芸能活動に際して制作された著作物・商品等の権利の帰属です。
一般的には、全て所属する芸能事務所に帰属することになりますが、タレントが作詞・作曲・本の執筆等をした場合の著作権は、別途個別に著作権譲渡契約を締結し、その中で印税率等を定めるのが通常です。
他には、芸能事務所に所属するにあたり、入所費用等が発生するかどうか。
ここも非常に重要なところです。
上記に一般的な注意事項を取り上げさせて頂きましたが、タレントとの契約は他にも注意するべき点が
いくつかあり、色々と気を払う部分も多いです。
特に、既に文化人などとして活躍されている方のマネジメントを行う場合等は、今までの芸能活動において発生した契約関係・権利関係をどうするのかといった問題も出てきます。
契約を締結するのがタレントであるのか、ミュージシャンであるのか、モデルであるのか等でその体裁は変わってくるかと思いますので、個々のケースに応じて適切な契約書作成を心がけたいところです。
PR
2010/09/22
個別契約書
Trackback()
今回は、個別契約書事例として「レベニューシェアリング方式の契約書」を取り上げたいと思います。
これは、契約に伴う対価がレベニューシェアリング(収益分配)方式であることを意味しております。
この契約では、概ね、請負契約に該当する場合が多く、何かを製作するなどの請負対価がレベニューシェアリング方式だったりするわけです。
ウェブサイト、アプリケーション、システムなどの開発やサイトの運営代行といった業務委託契約によく用いられたりする方式です。
この契約の注意点として、お互いの役割分担を明確にするということです。
というのも、たとえばウェブサイト制作の請負対価をレベニューシェア方式にするとして、そのウェブサイトから生じる売上をレベニューシェアしましょうといった契約内容である場合、ウェブサイトから実際にある程度売上が生じないと制作側が損をすることになる可能性があります。
そうならないように、発注側もある程度広告・宣伝などを義務付けるなどして制作されるウェブサイトから生じる売上があがるよう努力することを
レベニューシェア契約書の中で明記したりします。
また、業務請負にかかる実費が発生した場合に、それをどう負担していくかも明確にしていかなければならないところです。実際には、実費も含めてレベニューシェアリングしていきましょうという場合も結構多いです。
それと、何らかの理由により契約が終了してしまった場合の取り決めも重要なところです。もし、それまでにウェブサイト制作側が制作費用を回収できなかったら一方的に損をしてしまうということになりかねません。
そういうのを避けるために、ウェブサイトが制作されてからどのぐらいの期間で制作費用を回収できるのかをある程度計算した上で、契約期間を定め、その期間内に一方的に契約が終了されるようなことがあれば、違約金を支払うといった条項を設けたりして、一方が損をしないよう契約書も配慮していくことが必要です。
契約書の基本的な体裁としては、業務委託契約の体裁をベースに上に上げたようなレベニューシェア契約書特有の条項を交ぜるような形でよいかと思います。
以上、今回は個別契約書事例としてレベニューシェアリング方式の契約書を取り上げさせて頂きました。
2010/08/30
個別契約書
Trackback()